日中、仕事中や授業中などに、とても眠くなって困ったという経験は、誰にでもあることだと思います。しかし、その眠気が、耐えられないほどだったり、毎日続くというような場合は、病気の可能性を疑う必要があります。昼間に眠くなるなんて、緊張感がないと反省したり、眠くなることと病気が、なかなかつながらずに、それが病気だということには、気づきにくいことが多いです。
過眠症(ナルコレプシー)という病気は、睡眠障害のひとつで、その主な症状は、昼間でも突然、強い眠気に襲われ、眠り込んでしまうという睡眠発作などです。重要な商談や試験の最中にもかかわらず、眠気がくることが多いという方は、要注意です。
副症状としては、情動脱力発作という症状が起きます。この症状は、例えば、怒ったり笑ったりするときに、力が体中から抜けてしまったり、倒れこんでしまうことがあります。このような症状がある場合や、耐えられないような眠気が、2~3ヶ月もの間続くという場合は、過眠症の可能性があります。
過眠症になる原因は、遺伝的な体質、そして、環境因子(ストレスなど)が重なることによって、起こるようです。しかし、ほとんどが、明確な原因が分かりません。また、手術や頭部に外傷を受けたり、睡眠不足が長く続いたときなど、身体的に大きなストレスがかかった直後に発症することが多いようです。
過眠症の対処法としては、まず、夜は、しっかり睡眠をとるということが大事です。それでも、昼間に強い眠気があるというときは、かかりつけの内科や神経内科精神科、睡眠外来で診断を受けるようにしてください。
また、過眠症による副症状には、情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚、自動症、夜間の熟睡困難などの症状があります。
情動脱力発作とは、激しく怒ったりしたときなど、興奮した状態のときに、体中の力が抜けて、膝がガタガタしてしまい、持っているものを下に落としてしまうというような症状です。また、声を出すための筋肉や、顔の筋肉まで力が入らず、言語がうまく話せなくなることもあるようです。
睡眠麻痺とは、入眠するときに、幻覚と金縛りが起こるものです。覚醒から睡眠への移行期に、突然、体に力が入らなくなり、声も出せなくて、体がどうしても動かないといった、いわゆる「金縛り」の状態になります。これも、発病する初期の段階によく起こることです。時には、呼吸困難に近い感じがすることもあります。多くの場合、幻覚を見たり、恐ろしい夢を見たりします。
入眠時幻覚とは、入眠時の半分起きて半分寝ているような時に、とてもはっきりとした夢のような幻覚を見るというものです。誰かが、鍵のかかったドアを開けて、部屋の中に入って来たとか、自分の体の上に乗っかってくるとか、凶暴な動物に襲われるなど、生々しく現実的な幻覚を見たり、幻聴を聞いたり、触られるような感じがしたりすることがあります。あるいは、自分が飛んで窓から外へ出て行くという、浮遊感覚が起こることもあるようです。
自動症とは、自分では眠いという自覚がないのに、行動したことを全く覚えていない状態のことです。夜間の熟睡困難は、睡眠サイクルが乱れることで、夜、熟睡できないという症状です。はっきりとした夢を見ることで、熟睡感が得られません。過眠症では、大脳が、覚醒時に近いレム睡眠が頻繁に起こっているため、熟睡することができません。夜間の熟睡困難によって、頭が重く感じたり、頭痛がしたり、複視などの原因になったりすることがあります。
睡眠の役割についてご紹介します。ほとんどの人が、夜になると自然と眠くなりますよね。そして、朝になると目が覚めます。人間の身体のこのリズムは、脳の中にある「生体時計」というものがコントロールしています。明け方には、最も体温が低くなります。そして昼間に上昇していきます。そして、夕方にかけてがピークになっていきます。その後に、徐々に下がっていきます。
人間は、体温が下がってくるとだんだんと眠くなってくるものです。この体温とは、深部体温という体の内部(脳や腸など)の温度のことです。このようにして人間は、生体時計の働きや深部体温により眠くなったり目覚めたりするものです。 そもそも、睡眠とは、どのような役割があるのかというと睡眠をとることで、体だけでなく、脳も休むことができます。また、深い睡眠の間には、成長ホルモンが集中的に分泌されます。
さらに睡眠により、脳の過熱を防いでくれます。 あったかいお風呂に入れば深部体温は上昇します。そして入浴した後、入眠しやすくなります。 そして、その時生じる脳の過熱を睡眠によって防いでいるということなのです。睡眠の中でも 徐波睡眠という深い睡眠の状態は深部体温を大きく下げる働きがあるのです。睡眠中は、人間は、エネルギーを保存しています。起きている間は、体の中の物質を酸化させエネルギーをつくり出して、それを心と身体を活動させる動力にしているのです。

